2013-11-11

フロマートカ『神学入門ープロテスタント神学の転換点』

プロテスタント神学を学ぶのであれば、20世紀神学をまなばない訳にはいかない。しかし、この20世紀神学を学ぶには19世紀自由主義神学を知らなければならない。



いわゆる危機神学とも呼ばれたバルトを筆頭とした20世紀初めの神学潮流は、カント以降の理性主義・合理主義を背景とした近代的知性に宗教、すなわちキリスト教信仰の存在意義を「人間」主体において位置づけた自由主義神学の大きな崩壊とそれへのアンチの姿勢のなかで形成されて来た。その神学の転換を見つめ、あの第一次世界大戦で傷ついた人々、また牧師や神学者のなかで、どんな神学的営為が営まれたのか尋ねるには絶好の一冊だと言えるだろう。
 ルターやカルヴァン、ツヴィングリあるいはウェスレー、クランマー。プロテスタント神学の祖に学ぶことは多い。しかし、現代神学の課題にしっかりと向かい合うためには、二千年に及ぶ神学の歴史はもちろんだが、とりわけ私たちの神学の足場を知るべきだろう。21世紀。これからの神学を切り開くために、20世紀神学の大きな転換を学ぶことは欠かせない。そのための入門書として、是非一読をすすめたい。

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